吉田沙保里選手の父親(61歳)が、車を運転中にくも膜下出血で死亡したとのニュースが流れた。吉田沙保里選手の号泣するテレビ画面に、ストレートに感情を表す吉田沙保里選手に豪快さを感じると共に、父親が自損事故で済んだのは不幸中の幸いというべきだろう。お悔やみ申し上げます。
そこで、働き盛りの40~50歳を中心に発症しやすいクモ膜下出血の予備知識を更新した。くも膜下出血を起こさないためには、喫煙や大量の飲酒は避けること。高血圧の人、家族にくも膜下出血を起こした人がいる場合は危険因子が高い。他にストレスを溜めすぎるのもよくないようだ。くも膜下出血のほとんどは動脈瘤の破裂によって起こるため、動脈瘤があれば出血のリスクも高くなるという。
過去に、元巨人軍コーチの木村拓也さん(享年37歳)、元オリンピック水泳選手の木原光知子さん(享年59歳)、俳優の伊藤俊人さん(享年40歳)等がくも膜下出血で亡くなっている。
3月11日午前7時15分ごろ、津市小舟の伊勢自動車道上り線の路肩に止まった車内で、レスリングで五輪3連覇を達成した吉田沙保里選手の父親栄勝さん(61)=津市一志町=がぐったりした様子で倒れているのを別の車の運転手が見つけ、110番した。栄勝さんは病院に運ばれたが、死亡が確認された。死因はくも膜下出血。
三重県警高速隊によると、車の前方に傷があり、追い越し車線脇の中央分離帯に接触後、300メートル先の走行車線左側のガードレールにぶつかり、路肩に停車したとみられる。現場は津インターチェンジ(IC)から南に約500メートル。
高速隊は、事故の状況などから、運転中に発症した栄勝さんが路肩に車を止めようとし、停車後に完全に意識を失ったとみて調べている。(共同通信2014.3.11 13:31)
クモ膜下出血とは、脳を取り囲んでいるクモ膜と脳との間に出血が起こった状態であり、脳に発生する動脈瘤が破裂し出血して発症し、致命的になる場合が多いという。食生活の欧米化、喫煙等が遠因といわれる。
クモ膜下出血は若い年代に発症する(働き盛りの40~50歳が中心で、男性より女性の割合が多い)傾向があり、普段から気をつけなければならない。
クモ膜下出血を起こさないためには、どうすればよいか?
喫煙や大量の飲酒は避けること。高血圧の人、家族にクモ膜下出血を起こした患者がいる人は危険因子が高い。また、クモ膜下出血のほとんどは動脈瘤の破裂によって起こるため、動脈瘤があれば出血のリスクも高くなる。
クモ膜下出血の症状はいくつかあるが、共通するのは『突然性』、『金づちで殴られたような痛み』、『経験したことのない痛み』と表現されるが、痛みが軽い場合もある。
又、「患者の約半分は1週間ほど前に前駆症状という前兆の頭痛が出る」、その場合は検査で発見できることが多い。
とNTT東日本関東病院脳神経外科の森田明夫部長は話す。
クモ膜下出血
画像は、「
脳の血管に関する病気。そのなかで脳梗塞とはどんな病気でしょうか?」より引用させていただいた。
クモ膜と脳表面の血管との位置関係
★症例
昨日のボート部OB・学年幹事会で、この8月に後輩のK君(61歳)がクモ膜下出血で亡くなったとの訃報を聞いた。(2012.9.2)
★〔症例〕
先日、娘の幼い頃の同級生のお兄ちゃんが2年間の旅(本人には重要な探究の旅)が終わって、父親の事業を引き継ぐために戻って来て間もない朝、お兄ちゃんが起きて来ないので家族が部屋にいってみたら亡くなっていたとの訃報を聞いた。行年40歳。引き金はクモ膜下出血だった。
2年間の旅(生活)が引き金になったとは思われるが、それは亡くなった本人にしか分からない。何か無理があったのだろうか。運命といえば、運命かも知れないがあまりに早過ぎる人生である。当の本人はあっという間に絶命したと思われるので、苦しみは長くなかっただろうが残された家族の落胆は大きく、意気消沈しているとのこと。
この事例でも、若くして、クモ膜下出血は起こるということを物語っている。
(2010.12.10)
★〔症例〕
昨日、Y君が勤める会社の55歳の方がクモ膜下出血で倒れたという話を聞いたので、以前投稿した「クモ膜下出血の予備知識」を更新した。
その方が倒れた時は、幸い、回りに同僚がいたのですぐ救急車で病院へ運ぶなりの対応が出来、最悪の事態には至らなかったそうだ。
なお、少なくとも現在は愛煙家ではなかったそうだ。(2010.11.3)
★〔症例〕
球界のキムタクこと木村拓也さん(37歳)が、今年4月試合中に「クモ膜下出血」で倒れ亡くなったのは記憶に新しいが、それがきっかけでこの記事を取り上げた。(2009/4/2)
「読売ジャイアンツ、木村拓也コーチが練習中にクモ膜下出血で倒れる」
★〔症例〕
元オリンピック水泳選手の木原光知子さん(59歳)
(2007.10.18)
★〔症例〕
俳優の伊藤俊人さん(40歳)
(2002.5.28 )
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「クモ膜下出血 働き盛り注意! 脳ドックが有効」(続ニュース)2010.4.8産経ニュースによれば、
NTT東日本関東病院(東京都品川区)の落合院長によると、くも膜下出血を起こしやすい季節や時間帯は特にない。出血を起こしたときを分析しても、「活動中」「就寝中」「そのほか」が3分の1ずつだったという。
だが、その症状は激しく、出血が長引けば脳組織に血液が行かなくなり、意識も戻らなくなる。木村コーチは倒れた直後、心肺蘇生(そせい)を受けたといい、「呼吸中枢をやられ、一時的に心臓や呼吸が止まったとみられる」(落合院長)。
出血が起きてしまえば治療法はなく、再び破裂しないようにするための手術しか手段はない。その場合、動脈瘤の根元をクリップで挟んで血液が入らないようにする方法と、カテーテルを使って動脈瘤の内部を詰める方法の2種類があるが、意識が戻らない重症者の手術は難しい。
では、くも膜下出血を起こさないためには、どうすればよいか?
同院脳神経外科の森田明夫部長は「喫煙や大量の飲酒は避けること。高血圧の人、家族にくも膜下出血を起こした患者がいる人は危険因子が高い」と話す。また、くも膜下出血のほとんどは動脈瘤の破裂によって起こるため、動脈瘤があれば出血のリスクも高くなる。
実際の患者は40~50代が中心で、男性より女性に多い。木村コーチのように30代で発症する例は少ないが、最近では70代など高齢の患者もみられるという。
こうしたことから、森田部長が勧めるのが、脳ドックだ。出血すると3分の1が死亡、3分の1が社会復帰が難しいという現状からすれば、発症リスクの高い40~50代は一度脳ドックを受け、MRIやCTで脳の写真を撮るとよい。
森田部長によると、人間ドックの受診者の約3%に動脈瘤が見つかるという。「瘤の場所や形状、大きさなどから危険性を判断。進行するかどうかの経過や患者の年齢、体力をみながら、手術をするか決める」(森田部長)のが一般的だ。
くも膜下出血の症状はいくつかあるが、共通するのは「突然性」。「『金づちで殴られたような痛み』『経験したことのない痛み』と表現されるが、痛みが軽い場合もある。
また、「患者の約半分は1週間ほど前に前駆症状という前兆の頭痛が出る」(森田部長)といい、その場合は検査で発見できることが多いという。
「球界のキムタク、依然意識不明 単身赴任に中間管理職の大きな心労」(続ニュース)4月5日夕刊フジによれば、
2日の広島戦(マツダスタジアム)前の練習中にくも膜下出血で倒れ、広島市内の病院に入院中の巨人・木村拓也内野守備走塁コーチ(37)は、依然として意識不明で危険な状態が続いている。単身赴任、さらに中間管理職に就いたばかりの木村拓コーチ。サラリーマンにとっても他人事でないストレスをためこんでいたようだ。
木村拓コーチと親しい広島選手は「喫煙もよくなかったのかもしれませんね。キムタクさんはヘビー(スモーカー)ですから。単身(赴任)で、慣れないコーチ業に就いたばかり。巨人での現役時代はホテル住まいで、今年からは都内にマンションを借りたとも聞いていましたが…ストレスだらけだったんじゃないでしょうか」と表情を曇らせた。
「衝撃!巨人・木村コーチ、ノック中に倒れる」2010.4.3 SANSPO.COMによれば、巨人の木村拓也内野守備・走塁コーチ(37)が2日、広島カープとの試合前のシートノックでノッカーを務めていた最中に、「くも膜下出血」のため、突然、本塁付近で倒れたとのこと。
You Tube「読売ジャイアンツ、木村拓也コーチが練習中にクモ膜下出血で倒れる」で木村拓也コーチが倒れる様子が映し出されている。
木村拓也さん(37)は、小生の子供達の年齢に近く、若いが、単身赴任だったそうで、食生活のアンバランスなどがあったのかどうかなど、気になるところ。若い年代の人は衝撃を受けたに違いない。
くも膜下出血は、「ハンマーで殴られたような強烈な頭痛」から、意識を失ったりするなどの症状が出るという。
30%について、前兆がある(「頭痛」、「物が二重に見える」、「片方の目の瞳孔が拡大する」等がある)という。
言い換えれば、「くも膜下出血」になった人の70%は突然発症したことになる。一般的に他の脳の病気(脳出血、脳梗塞など)より若い年齢でも発症する特徴がある。
「くも膜下出血」は高年者が罹る割合が多い病気かも知れないが、30歳台でも、喫煙・ストレス等で「くも膜下出血」になるということであり、他山の石としたい。
以下の有名人(例)が、過去に「くも膜下出血」になり、亡くなっている。
元オリンピック水泳選手の木原光知子さん(当時59歳)、
俳優の伊藤俊人さん(当時40歳)、
[
参考情報]
■「
配偶者がいる方が脳卒中・心筋梗塞での死亡率は低い」
■「
食生活における女性(妻)の役割の重要性」
■「
脳の病気と症状 脳卒中にならないための予防」
以下、くも膜下出血について「家庭の医学」などより調べた。
【
クモ膜下出血】
脳の動脈は、太い内頚動脈と脳底動脈が頭蓋内に入って動脈の輪(ウィリス輪)をつくる。さらにここから前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈が分岐していく。
これらの太い動脈の分岐部には動脈こぶ(動脈瘤)ができやすく、これが血圧の上昇などで破れたものがくも膜下出血です。動脈瘤のある場所は、脳の底部で脳の外にあるため、出血は脳の表面に広がる。
50歳以下のくも膜下出血は先天的な動脈瘤によることが多く、20歳前後から好発し若年の脳卒中では最も多い。60歳以上の場合は動脈硬化症から動脈瘤が生じることが多いのが特徴です。
[
症状]
くも膜下出血の特徴は強い頭痛です。突然今までに経験したことのないような頭痛が始まる。これに先立って、がくんと脱力発作を起こすこともある。痛みが始まると朝も晩も同じ強さで続く。多くの場合はただちに意識障害が進行、1時間以内に呼吸が止まることもある。首はカチカチにかたくなり、眼底には網膜の前に出血が認められる。破れた動脈は収縮し、その結果、脳梗塞を併発することもある。
[
診断]
CTでは脳と頭蓋骨の間に白い出血がある。髄液検査では血性の髄液が認められる。血管造影では、破れた動脈瘤を見つけることができる。最近では脳ドックで未破裂動脈瘤がしばしば見つかるようになった。
[
治療]
破裂した動脈瘤は脳外科で開頭手術をし、クリップをかけて再び出血しないようにする。破裂動脈瘤を手術せずに放置しておくと、1ヵ月後の死亡率は50%に達するとされている。近年では血管内から動脈瘤内にファイバーを送って閉塞し、治療することも可能になった。
ただいずれの方法も部位や年齢また動脈瘤の状態によって手術に危険性があり、術中・術後に死亡することもある。未破裂動脈瘤を放置した場合の破裂の頻度は年間1%以内とされ、十分なインフォームド・コンセントが必要だという。
「衝撃!巨人・木村コーチ、ノック中に倒れる」2010.4.3 SANSPO.COMによれば、
プレーボール前のマツダスタジアムに衝撃が走った。巨人の木村拓也1軍内野守備走塁コーチ(37)が2日、広島1回戦の試合前のシートノックでノッカーを務めていた最中に突然、本塁付近で倒れた。救急車で広島市内の病院に搬送された際には、意識不明の重体だった。球団から発表された病院での診断結果は「くも膜下出血」。同コーチは、そのまま入院したが予断を許さない状況だ。
現役のコーチが、観客の見守る中、「くも膜下出血」で倒れるという、衝撃のシーンは何の前触れもなく訪れた。試合開始直前に行われる、恒例のシートノック。午後5時35分ごろ、いつものようにバットを持ったノッカー役の木村コーチが、三塁方向を向いたときだった。右方向に前のめりになりながら、崩れ落ちるようにして倒れた。
すぐさま異変に気づいた両軍の選手、コーチが本塁付近に駆け寄って輪ができた。周囲が声をかけるなどしたが、同コーチはあおむけになったまま、まったく反応しなかった。
広島のチームトレーナーの手によってAED(自動体外式除細動器)がグラウンドに運び出され、その場で心臓マッサージなどの応急処置が行われた。その後、巨人の選手や首脳陣が心配そうに立ちつくす中、木村コーチは意識不明のまま、救急車で広島市内の病院まで搬送された。
試合中に巨人球団広報から発表された病院での診断名は「くも膜下出血」。試合後に広島市内のチーム宿舎で取材に応じた、宮崎南高の先輩でもある清武球団代表は「病院に行ってきました。発表した以上のことはいえません。とにかく病院に託すしかない」と、祈るような顔つきで話した。
木村コーチがもっとも楽しみにしていたのが広島遠征だった。2006年に巨人に移籍してからは、新築の広島市内の自宅に家族を残し、都内のマンションで単身赴任生活を送っていた。