唐松岳から五竜岳
(2010年5月)
唐松岳から五竜岳(2008年5月)
【参加者】
W、YO、F、YT
【行程】
[5月1日(土)]晴れ
新宿23:54⇒(ムーンライト信州81号)⇒白馬5:44(5/2)
[2日(日)]晴れ
白馬6:30⇒(バス)⇒白馬八方6:35→ゴンドラ地上駅7:30⇒第一ケルン1850mH7:58→(八方尾根)→唐松山荘11:58→唐松岳2696mH→唐松山荘泊
丸山の手前の樹林限界でアイゼンを装着。唐松山荘に着いて唐松岳を往復後、明朝一番の牛首岳通過ルート(急下降の難所)を下見した。雪は殆どなくロープを出す必要がないことを確認(岩稜は熱容量の関係から雪は溶けやすい)。その後、唐松山荘の裏手(東側)の急斜面でビレーとプルージック登降の訓練(五竜岳登降のための下準備)を実施して、夕食の時間(17時)となった。
八方尾根を登る
八方尾根より鹿島槍
手前の、左にゆるやかに傾斜する尾根が遠見尾根
五竜岳を後景に唐松岳にて
左より
YO、YT、F、W
[3日(月)]晴れ
唐松岳山荘5:55→五竜山荘9:30/40→五竜岳2814mH11:00→五竜山荘12:00→(遠見尾根)→アルプス平駅15:30⇒(テレキャビン8分)⇒とおみ駅⇒(タクシー5分)⇒神城16:20/16:36⇒信濃大町⇒松本⇒(あずさ)⇒新宿
朝食は6時からであり、本日は強行軍になるので、代りに昨夜用意して貰った弁当を食べて山小屋を6時前に出発した。五竜山荘に着いたのは9:30(夏時間より1時間多く掛かっている)。今日中にテレキャビンを利用するには時間の余裕なく、直ちに空身で五竜岳をピストン。急傾斜の登降ではあるがしっかりした踏み跡があり、このメンバーではロープを持参する必要はないと判断。
五竜岳の雪の量は2年前に唐松岳から見た時より多い。
五竜岳からの剣岳や鹿島槍は素晴らしかった。
五竜から鹿島槍へは大変さが伺い知れる。Fさんから後日下記情報を貰った。鹿島槍方面へ尾根伝いにはっきりと足跡が付いていました。行く人がいるのだなと眺めていましたが、五竜の下り、すぐ目の前を100Lのザックと寝具、スコップを持った女性が歩いていました。思わず、どちらからと声をかけたところ、「東尾根を上がりビバーク、鹿島槍を超え、キレット小屋で1泊して来た」とのこと。ロープを使うところが2か所あったそうです。五竜の小屋では連れの男性3人ほどがやはりすごい荷物で待っていました。この時期、やはり強者がいるものだとちょっと感動しました。
五竜山荘に戻り、遠見尾根に向けて直ちに下山を開始したお陰でアルプス平駅からのテレキャビンには十分間に合った。
【メンバーの一言】
YT:YOさん・Fさんとの何年か前の阿弥陀岳(3月)はYOさんのハプニングで行けなかった。またWさんとは最近玉山に登るチャンスを失していた。最高の天気の五竜岳山行でこれらを埋め合わせることができて良かった。
W:素晴らしい天気でした。私は晴れ男を自称していますが、Fさんがこのところ好天が続いている由・・・ダブルできいたかな?
F:日程も最高で、みなさん楽しい方でとても充実した2日間でした。お天気もよさそうで今年のQWはあたりですね!
YO:五竜からの鹿島槍・剣岳・白馬、きれいな素晴らしい眺めでした。遠見尾根からの五竜から続く鹿島槍はすごい眺めでした。遠見尾根いいところです。
雪庇を避けて五竜山荘に向かう
雪庇をアップ
剣岳を後景に五竜岳にて
五竜岳より剣岳
五竜岳より鹿島槍
遠見尾根より鹿島槍
この光景は遠見尾根からしか見えない鹿島槍北壁とカクネ里
〔
JR東日本の美談〕
帰路、小生(YT)にハプニング。神城駅で切符(信濃大町・松本乗換え、松本からあずさ利用)を買って、大糸線に乗ったが、買ったばかりの切符が、松本に着く前に、どうしても見つからず、再度切符(紛失用)を買う破目になって、気落ちしながら(相棒との交流で少しは気を取り戻し)帰宅した。
翌朝(4日)、自宅から松本駅・信濃大町駅・白馬駅に電話を入れ、切符を紛失したことを話したところ、こ1時間かけて探してくれて電話が掛かって来た。
紛失した切符は大糸線の南小谷駅で見つかったのだという。すなわち主(あるじ)とは別に切符だけが南小谷駅まで旅していたことになる(小生は今回が筆下ろしのズボンのポケットに切符を入れた積りが車内に落としていたことになる)。小生の全くの凡ミス。調整してくれた結果、新宿駅で払い戻しが利くというので、午後新宿に赴き、紛失した切符の購入金額から手数料(420円)を差し引いた額が戻ってきた。金額は大したことはないが、一生懸命探してくれたJR東日本の方々の親切に頭が下がる。
今回の登山で白一色の五竜岳に登ったことはよかったが、さらに小生にとってはJR東日本の方々の親切さに触れたことがさらなる喜びとなった。“今後も大いに大糸線を利用させていただきます”と電話でお礼を述べた。
<備考>
・テレキャビンの最終便(アルプス平⇒とおみ駅)16:10
・
唐松山荘090-5204-7876
・
五竜山荘 0261-72-2002
【YOさんの感想】今回の山行初日の牛首岳の下見とロープワークの訓練はたいへんよかったです。下見で心の余裕が生まれました。ロープワークの時間は短時間でしたが、十分に充実した時でした。
五竜岳、素晴らしい景色でした。最後の登りの傾斜が少しきつくなるが、既に先行者達がステップを刻み込み、登りやすかったのは幸いでした。
遠見尾根からの、物凄い鹿島槍の北壁と谷、キレットの連続がそそり立ち、逆光に輝き、その下方には幾つもの・幾筋もの雪崩の爪跡が見られました。物凄い光景でした。
YTさんのJR切符の件
大変よかったですね。それにしてもJRの職員さん達は大変親身になって尽くしてくれたことですね。有難いことです。日本人のハートはまだまだ捨てたものじゃないと思いました。
私もついうっかりが時にありますので気をつけたいと思います。
<
北安曇野郡白馬村神城の天気>(4月30日 17時00分更新)
[5月2日]降水量0mm
[5月3日]降水確率10%
[5月4日]降水確率20%
<装備>
無線機(共同装備YT準備)、ロープ9mm50m(共同装備YT準備)、
ツェルト、救急薬品、アイゼン、ピッケル、防風防水アウター上下、防寒帽、保温着、防寒手袋、靴下、スパッツ、ザックカバー、サングラス、ヘッドランプ、予備電池、健康保険証、携帯電話、スリング、カラビナ、ハーネス、地図、磁石、ロールペーパ、タオル、水、行動食、非常食、山岳保険など
<費用>
・新宿23:54⇒白馬5:40(ムーンライト信州81号指定席)5,760円
・白馬駅⇒八方(バス)180円
・八方⇒第1ケルン(ゴンドラとリフト)1,440円
・唐松山荘(1泊2食)9,000円
・白馬五竜テレキャビン(アルプス平駅⇒とおみ駅)860円
・神城⇒立川(あずさ自由席含む)6,720円
<参考記録>
「
唐松岳山行(080503~04 )
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【遭難ニュース】
今朝(4日)の恒例のウォーキング中、「物知りおじさん」(小生と同年齢)から“富士山で滑落がありましたね”という情報を貰ったので、早速調べた。
◇「
<滑落>各地で相次ぐ 富士山、谷川岳で計2人死亡2人重傷」5月4日毎日新聞によれば、
ゴールデンウイーク後半の4日、富士山の山梨県側では計3件の滑落事故が確認され、女性1人が遺体で見つかり、2人が重傷を負った。県警富士吉田署によると、正午ごろ、9合目付近を下山中の名古屋市天白区原、公立校教諭、新井秀隆さん(35)が滑落。午後0時40分ごろにも、8合目付近を下山中の埼玉県飯能市中山、会社役員、杉山芳二さん(70)が滑落した。2人とも県警ヘリ「はやて」に救助されたが重傷。この救助中、ヘリが7合目付近の沢で倒れている女性を発見、収容したが、既に死亡していた。女性は西東京市の無職(44)。同署は登山中に滑落したとみている。
◇「
山岳遭難:北ア・白馬岳で男性の遺体収容 稜線から滑落か」5月2日毎日jpによれば、
2日午後2時20分ごろ、長野、富山両県境の北アルプス白馬岳(2932メートル)の2号雪渓で、男性が倒れているのを登山者が発見。連絡を受けた長野県警航空隊員が死亡を確認し、遺体を収容した。
県警大町署によると、男性は4月29日以降に入山したまま行方不明になっていた群馬県太田市八幡町、医師、木暮修治さん(47)。稜線(りょうせん)から滑落し、首を強打したらしい。
木暮さんは単身赴任中。前橋市に住む妻(46)から1日、連絡がとれなくなったと届け出があり、県警が捜索していた。