「
駆け込みドクター」2014.4.20で「腎臓病とは、知らないとほんとコワイ!」を取り上げていたので、当ブログを更新した。
〔
腎臓の主な5つの働き〕
1.
尿として老廃物を出す:
血液中の尿素窒素、クレアチニン、尿酸など老廃物をろ過し、余分な水分と共に尿をつくっている。血液のろ過は毛細血管にある糸球体で行われ、1つの腎臓に100万個もある。
2.
水分量の調節をする:
体重のの60%は水分(体液)が占め、汗をかき水分の量が少なくなった時は尿の量を減らし、体内の水分量が増加した時は、尿の量を増やし外に排出する。腎臓の機能が低下すると、体内の水分を排泄できず溜め込んでしまい、この余分な水分がむくみとなって現れる。
3.
血圧の調整をする:
腎臓は血圧をコントロールするホルモンをつくっている。そのため、腎臓に異常があると、血圧コントロールの機能が低下し、高血圧になりやすくなる。
4.
様々な物質のバランス調節をする:
調節がうまくいかないと、手足のしびれやむくみ、筋力低下やイライラなどの症状が現れる。
5.
血液を弱アルカリに保つ:
血液が酸性に傾くと、疲労感や吐き気を感じ、意識を失うこともある。アルカリ性に傾くと筋肉が痙攣し、引きつりなどをおこす。
〔
腎臓病が出す3つのサイン〕
〔
サイン1~尿〕
健康な尿の色は淡い黄色か透明に近い色をしている。濃いオレンジ色や緑色は注意が必要で、赤や黒の場合は尿に血が混じっていて、特に危険だ。
においについては、甘酸っぱいにおいがあると糖尿病の疑いがあり、尿にタンパクが混じっていると、尿が泡立つようになる。
〔
サイン2~むくみ〕
腎臓が悪いと、塩分や水分が溜まりむくみになる。
①まぶたが腫れぼったくなる、②指輪が入らなくなる、③靴がきつく感じるようになる、④靴下のゴムの痕がなかなか消えないなど。
〔
サイン3~血圧〕
高血圧は腎機能低下の最も重要な原因で、機能低下を防ぐには血圧のコントロールが重要。高血圧で血管が傷つくと動脈硬化も進み、腎機能も低下する。高血圧患者の約3割に腎障害が隠れているという。また、腎機能が低下することで高血圧を引き起こす場合もある。高血圧と腎臓病がこのような悪循環を繰返すと、急速に病状が進行する。塩分を控え、適度な運動をして、血圧を下げることが必要。
ブログのテーマ(腎臓の機能低下)は、腎臓の機能が低下する中高年に、是非着目して貰いたい(人工透析へと進まないためにも)。
まずは「腎臓のろ過能力早見表」(日本腎臓学会のデータを元にためしてガッテンで作成)により、自分の腎臓の現在のろ過能力はどれぐらいなのかを知ることは次にどんな手を打つべきかにつながるので重要と考えます。
〔
過去に当ブログで取り上げた関連情報〕
☆「
慢性腎臓病の予備知識」(2008.6.1)
☆「
通風の予備知識」(2010.2.17)
昨日(2011/9/14)のためしてガッテンは「
腎臓が突然ダメになる 急増!沈黙の新現代病」。
慢性腎臓病が急増中という。その先に待っているのは人工透析。透析患者数は、40年前215人だったのが年々増加して、今は30万人に達しており、しかも毎年3万人強の人が亡くなっているという。
人工透析には一人年間600万円掛かるというのだから保険医療を維持する観点からも困った問題。週3日・4時間/日の人工透析が必要であるばかりでなく、1日当たり1400kcalのカロリー制限や水600mlの制限が強いられる。
腎臓には細い血管が集まった糸球体が約100万個もある。分子の小さいものだけを通過させ毒素(老廃物やアンモニア等)をろ過する(老廃物と体に必要な糖やたんぱく質などを選り分ける)のが腎臓の役割です。慢性腎臓病になると、これが機能しなくなり、人工透析をしなければ生きて行けない体になってしまう。やっかいなことに自覚症状がないことだ(沈黙の臓器)。
原因は、悪い食生活など(運動不足を含む)が続くと、血液中に「糖」や「脂肪」が増加。すると、糸球体でろ過する穴を無理矢理通り抜けて穴を広げてしまい、広がった穴からは体に必要なたんぱく質等も漏れ出す。これが尿からの蛋白漏れ。尿にたんぱくが混じっているかどうかを調べることがまず有効になる。しかし、その後修復しようとして血小板が血液に詰まり蛋白も漏れなくなり、腎臓のろ過機能はさらに低下する。つまり、糸球体の働きが失われているのに尿検査で見つけることができなくなる。ある時足のむくみで腎臓機能が低下していることに気づくことがある。
別のリスクとして、健康な70代の人が起床して突然目眩がして調べたら腎臓が98%機能していないこと分かったが、過去に40歳頃痛風の前歴があったことが引き金になっている(痛風(高尿酸血症)→動脈硬化の経過を辿った)という。尿酸値の基準値としては、男女ともに血清尿酸値が「7.0mg/dl以下」であれば正常値であり、7.0mg/dl以上であれば「高尿酸血症」と診断される。尿酸値が7.0mg/dl以上の状態が長期に渡り続くと、足の親指の付け根の関節などに突然、激痛を感じるといった、いわゆる「痛風」の発作症状があらわれる危険性が高まる。
糸球体が通行止めになるメカニズムとしては、血小板の作用による「血液凝固」以外にも、「動脈硬化」や糸球体炎による「炎症」の場合があるという。
しかし、慢性腎臓病を年々減らしているのが尼崎市だという。クレアチニンをマーカーとする健康診断チャートで管理し人工透析に至る前にメタボリックシンドロームに歯止めをかけているのだという。
クレアチニンとは、筋肉中のたんぱく質が代謝された時に発生する老廃物。腎臓機能が正常な時は、ろ過によって、ほぼすべて体外に捨てられる。ところが、糸球体の通行止めが増えれば増えるほど、体内に残る量が増える。つまり、壊れ具合で体内に残ってしまうものを調べることで機能低下の程度を知ることになる。
<日本人のGFR(糸球体ろ過量)推算式>ml/min/173平米、Scr=血清クレアチニン値
(成人の場合)
GFR(男)=194*[Scrの-1.094乗]*[ageの-0.287乗]
GFR(女)=GFR(男)*0.739 *女性の方が厳しい基準値
定期検診などで得られるクレアチニンの値から、自分の腎臓機能が何%残っているかがわかる早見表が日本腎臓学会から公表されている。
小生の場合、2011年5月のクレアチニン値=0.73mg/dlと年齢から、“推算ろ過量は60%以上”(81.5ml/min/173平米)だった。
【
参考資料】
☆「
腎臓のろ過能力早見表」(日本腎臓学会のデータを元にためしてガッテンで作成)
☆「
人工透析にならないぞ!チャート式早見表」
(尼崎市で使用中の健康診断チャートをもとにした、ためしてガッテン版)
【
慢性腎臓病の予防】
睡眠時間を十分にとり、規則正しい生活を送ることが予防の基本。又、腎臓は水分が不足すると負担が大きくなるので、水分を十分に摂ることも重要。又、排尿を我慢しないことも大切。
以下は、「慢性腎臓病の予防
①、
②」より引用させていただいた。
・下半身を冷やさない
(腎臓は身体の中位の背中側にありますが、下半身の冷えの影響を強く受けます。浅いお湯でゆっくり入浴したり、脚を冷やさない服装が大切です。)
・風邪、ノド痛に注意
(風邪や扁桃腺がきっかけで腎炎が発生します。免疫の死骸が腎臓に溜まると炎症が発生します。風邪の治りかけは無理をせず、水分を多めに摂りましょう。)
・クスリを飲みすぎない
(多くの医薬品は尿で排泄されるので、腎臓に負担をかけます。腎臓に直接的に有害なクスリも多くあります。化学薬品の安易な連用は慎みましょう。)
・過労や過激な運動を慎む
(過労、夜間勤務、さらに激しい運動は、腎機能の低下を招きます。適度な休息が腎臓のクスリです。)
・タンパク質を少なめに
(タンパク質は必要な栄養素ですが、摂り過ぎは腎臓の負担となります。バランスのよい食事を心がけましょう。)
・便や汗でデトックス
(便や汗を十分出して、体内の有害物質を少しでも減らしましょう。青菜、青汁、キノコ類は排泄に有効です。)
・農薬、重金属のリスクを減らす
(大量の添加物が腎臓を通過します。水銀、カドミウムなど直接腎障害の原因となります。食品選びは慎重に。)
・腎臓にパワーを!
(漢方では種実豆は腎臓に良いと言われています。クルミ、ゴマ、小豆、黒豆などです。また、高麗人蔘、ポリフェノールなど血行を高めるものは腎臓の働きの向上にお奨めです。)