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かつては“酒好きなオッサンのぜいたく病”だった痛風だが、最近、20代、30代で発症する人が急増中だ。 のべ1万人の痛風患者を診てきたという両国東口クリニックの大山博司先生が解説する。 「現在、国内の痛風患者は約100万人。24年前から約4倍に増えました。生活習慣の変化で若年化が進んでいるのも最近の特徴で、今や発症年齢のピークは30代。20代の痛風患者も珍しくありません。痛風は血液中の尿酸値の高い状態が数年続くと引き起こされる関節炎です。尿酸値の危険水準は、高尿酸血症と診断される7mg/dl以上。この数値を超えると、発症するリスクがグッと高まります」 だが20代の場合、会社の健康診断に尿酸値の検査項目が含まれていないケースも多く、危険な数値に達していることに気がつかないことがあるという。激痛をともなう発作が起こってから病院で検査し、痛風だと判明した……、なんてことも珍しくない。 では、発作が起こる体の部位に、何か傾向などはあるのだろうか? 「発症者の約半分が足の親指のつけ根です。ほかの足の指や甲、アキレスけん、くるぶし、膝などに痛みがくる場合もあります」 痛風の特徴といえば、強烈な激痛。なぜ、こうした部位にあらわれるのか? 「血液中の尿酸が高くなると関節液の中で尿酸が溶けきれなくなり針状の結晶となって関節の周辺にたまるんです。そこになんらかの刺激が加わると結晶ははがれ落ちる。これを白血球が異物と認識して攻撃するため、炎症を起こして激痛をもたらすんです。また、痛風には前兆があります」 “足の指がムズムズする”“関節がうずく”“歩いていて靴が合ってない感じがする”といった感覚が、その前兆にあたる。 実際に痛風だった場合は、48時間以内に発作が起こり、「部位が足の指なら『万力で締めつけられたような』痛さで、ひどい場合にはそよ風が患部に当たるだけで激痛が走る」という。 症状は、発作から数日間激痛が続き、少しずつ和らいで2週間前後で改善するそうだが、あくまで一過性の回復のため、なんの治療もしないと2年ほど後には必ず再発すると大山先生は注意を促す。 いまや「オッサンの病気」から「若者の病気」となった痛風。生活習慣に心当たりがある人は、“明日はわが身”と心得ておいたほうがいいだろう。