~~積雪期の白山登山考察を含む~~
山小屋(白山室堂)が閉じられる日(10月15日)を翌日に控えた10月の3連休に、まだ登ったことのない白山(日本百名山)に登って来た。
白山は 富士山、立山と共に日本三名山(日本三霊山)の一つでもある。最高峰の御前峰(海抜2702m)・剣ヶ峰(2677m)・大汝峰(2684m)の「白山三峰」を中心として、別山2399m・三ノ峰2080mを加えて「白山五峰」ともいい、石川・福井・岐阜の県境をなしている。
もしかしたら、初雪に会えるかも知れないと期待した。白山(御前峰)北斜面には新雪が少しあったが、まだ「初雪」(麓の定点から見てうっすら白く見える状態)と呼べるものではなかった。ガイドブックには「白山に初雪が降るのは、概ね10月10日前後であるが、本格的な降雪は11月に入ってからのことが多い」とある。
2日目に登った別山側から見た、海抜約2000m以上の白山の山容を切り撮った(10月14日)
白峰の西山からの白山
「
5月の白山と緑」より引用
深田久弥に品格のある山と言わしめた百名山荒島岳1523mからの百名山白山2702m(2002.10.31)
「
荒島岳」より引用
2009.6.30午前7時、モンブランに登頂後、下山中に約4000m以上の高さの部分を切り撮った。
その日は頂上に笠雲がかかっていた。右下隅に黒い点が3つ見えるのが下山中の登山者
(
記事)
〔
積雪期の白山登山考察〕
白山(2702m)とは“白い山”であり、モンブラン4810m(Mont Blanc=White Mount)も同じ“白い山”。モンブラン登頂者として、雪の白山に登って見たいと思うのは当然のことかも知れない。今回の登山でそれを検討した。
5月連休から白山室堂2450mは素泊りできると記されているが、白山の麓以上は多雪地帯ゆえ、アプローチがたいへんだ。別当出合1245mから砂防新道に向かう吊り橋の踏み板はまだ外されてままであり、車は市ノ瀬までしか入れない。市ノ瀬820mから別当出合1245mまで歩くとなると1日掛かり。別当出合へのバス運行は登山開きの7月から(バス車掌)。
(1)白山頂上直下の池で夕日を撮るために待機していた福井の人の話では、5月連休に岐阜県のいとしろから入山し、三ノ峰(避難小屋あり)・別山を越え、南竜ヶ馬場(避難小屋:今回別山に向かう時に不急な荷物をデポ)から登って行くのだという。南竜荘の話では5月連休の避難小屋はまだ雪の中だという。
(2)帰りのバスで市ノ瀬まで隣り合わせだった地元(石川県)の人の話では、その年にもよるが、今年は6月始めに除雪が終わり、車で別当出合まで入れ、吊り橋を渡る必要のない観光新道(急傾斜)を登り、白山を登頂して来たそうで、雪はある程度しまっており、アイゼンだけでよかったという。
以上を勘案すると、せいぜい、6月始め頃からの白山登山が見えて来た(別当出合への車進入可能時期を地元に確認要)。
〔参加者〕YT
前夜: 新宿駅新南口10月12日22:00(バス)⇒金沢駅前(東口)翌5:55
備考:
金沢6:45⇒別当出合のバスに接続できる、このバスは10月11日は満席。12日も空席は残り少なかった。
新宿駅JR高速バスターミナル[新宿駅新南口(代々木)]
新宿駅新南口から徒歩8分。JR新宿駅新南口からは、改札(2階)を出て左に進み新宿タカシマヤを右に進む。紀伊國屋書店を過ぎてエスカレーターで1階に下る。エスカレーターを下り直進すると、バス乗り場に到着する。
今回、東京・金沢間は、安く且つ効率(日数)のよい、夜行バスを利用したが3列でリクライニングできるシート・トイレ付きのバスであり、移動中にしっかりと睡眠がとれたので、昔の蚕棚の寝台列車以上の快適さだった。というのは、体は常にバスの進行方向に向いており、停止・発進の際に体の横揺れがないからだ。
1日目(10月13日):歩行時間6時間20分(ガイドマップ)
金沢6:45⇒別当出合1245m8:50/9:00(砂防新道)→甚ノ助避難小屋1970m10:55/11:05→南竜道分岐11:20→南竜荘2070m11:40(展望歩道)→北アルプス展望台2250m12:40/50→白山室堂2450m13:45/14:00→御前峰(白山奥宮)2702m14:30/40→千蛇ヶ池2570m等経由→白山室堂泊16:00
登山口の別当出合で登山届を済ませてから別当谷に架かる吊り橋を渡り砂防新道に向かう。
砂防新道上部の紅葉
白山の登山路から南側に別山が立派に見える。
別山2399m
赤い実を残したナナカマド
展望歩道からのトンビ岩コースの斜面の紅葉
展望歩道・樹林帯の急登を終えるとアルプス展望台約2250mに出る
アルプス展望台からの北アルプス(白馬・槍ヶ岳方面)の遠望。
あいにく、雲があり、遠望できなかった。
アルプス展望台からの三方崩山2058m。上の左を正面に捉えアップ。
アルプス展望台からの恵那山眺望。肉眼では微かに遠望できた。
アルプス展望台から別山への尾根を見る
三方崩山を後景とした紅葉を見ながら登る。
アルプス展望台から20分も登ると傾斜が緩くなり大平原(室堂平)が現れ、白山が見えて来た。
這松帯を前景とした白山
這松帯を上がりきった室堂平での白山山容。
この室堂平が白山山容を支えていることが分かる。
草紅葉
黄葉草地の先に白山室堂が見えて来た。収容人員を誇る大山小屋であるが今日は満室というのだから、多くの人に愛されている白山がうかがい知れる。
室堂から白山を正面に捉える。室堂での受付を済ませ不急な物は残し、標高差262mの頂上を一気に登った(30分)。
白山頂上(御前峰)にある白山奥宮
孫達(7人)の安全と健やかな成長を祈願
雲海を後景とした白山2702m
御前峰からの剣ヶ峰2677m。ガイドマップにはルートはないが、踏み跡が見える。さらにガレるのを嫌ってルートにしていないのだろう。
北側から御前峰を振り返る。強風(風速20m強)を受けながら右に移動後、ガレ場(やや凍った急斜面)をジグザグ下った
頂上直下の紺屋ヶ池を前景とした三方崩山。
頂上直下のいくつかの池を配置した大平原が白山(御前峰、剣ヶ峰、大汝峰)を支えているのが分かる。
頂上直下の紺屋ヶ池からの大汝峰2684m。
大汝峰へのルートはあるが、時間切れのため、割愛
頂上直下の万年雪を前景とした白山
室堂からの日の入り
備考:
この時期、金沢⇒別当出合のバスは、土・日・祝日に限り、往き6:45、戻り13:30の2便だけが運行されている。バス停:金沢東口1番乗り場。
白山室堂076-273-1001(予約済み)
ガイドマップには、展望歩道は北アルプスの眺望がよい。御前峰から千蛇ヶ池へは「危」と「迷」のマークあり。
2日目(10月14日):歩行時間6時間30分(ガイドマップ)
白山室堂7:00(トンビ岩コース)→南竜ヶ馬場8:00→別山手前9:30→南竜ヶ馬場11:00→甚ノ助避難小屋11:30→別当出合13:00/13:30⇒金沢駅16:00/金沢駅前(東口)22:20(バス)⇒新宿駅東口翌6:00
昨日別山が立派に見えたので、逆も真なりだろうというわけで、2日目は別山側から見える白山を見るために、当初計画の観光歩道からの下山を変更し、トンビ岩コースを下り南竜ヶ馬場2070mから別山2399mに行けるところまで行くことにした。
室堂からの日の出
別山への途上で振り返り見た白山
予想した通り素晴らしい白山山容だった。
別山まで残り30分強の所(手前のジグザグを登り切った所)まで来たが時間切れのため引き返した。
備考:
金沢駅前のAPAホテルで風呂に入り、夕食を摂り、休憩をとり、夜行バスの待ち時間をつぶした。
〔金沢の降水確率〕10月11日17:00予報
13日20%、14日10%
〔装備〕
水筒、行動食、アウター上下(防寒・雨具兼用)、ダウン上下、ズボン下・長袖下着、スパッツ、サングラス、リップクリーム、日焼け止めクリーム、持病薬、ザックカバー、ストック、デジカメ、ヘッドランプ(予備電池含む)、地図、軽アイゼン、山岳保険カードなど
〔費用〕
新宿・金沢駅バス 往復13,830円(ネット決済)
白山室堂1泊2食7700円、
金沢・別当出合バス往復4000円(予約不要)
〔車掌から室堂クーポンを買えば、白山室堂+バス代=10,600円〕
今日までは、自家用車は市ノ瀬までしか入れない。