「
O157で3歳男児死亡、児童福祉施設/共同通信05.11.23,19:07」から「O157で3歳男児死亡、児童福祉施設」という記事に目がとまった。小生にも孫が二人いるからだ。「児童福祉施設」という集団施設で発生した点も気になる。他山の石になるのでフォローしておきたい。
食べ物は腐る直前が美味いと云う輩もいるが、免疫力の弱いお年寄りや幼児は気をつけたほうがいいのは云うまでもない。
以前世の中を騒がせた「O-157などの病原性大腸菌やブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオのほか、からしれんこんによる食中毒で有名になったボツリヌス菌、コレラ菌、赤痢菌、パラチフス菌など」が原因菌となる急性腸炎について、「家庭の医学」より調べてみた。
その後の記事「
毎日新聞05.11.23,23:06」から「O157に感染した3人は市内の病院に入院したが、男児は23日に容体が急変し、死亡したという。2人の女児は、意識はしっかりしているものの重症で、現在も入院している。この3人以外にも、10人の幼児や児童が、下痢や腹痛の症状を訴えたが、快方に向かっているという。」「預けられた子どもらが生活している施設によれば、亡くなった男児は病気がちだった」という。また感染ルートについては「保健所は外部からの二次感染の可能性が強いとしている」という。
また、「O157を巡っては、香川県内の老人福祉施設と特別養護老人ホームで今年10月に6人の死者が出ている。」も気になる。高年者も普段から免疫力を高める努力をした方がいいと思われる。
ともかく、普段の手洗いの励行と元気な子に育てておきたいものだ。
今回調べた付録としては、「海外旅行、特に東南アジアなどに行ったときに病気の原因となる細菌の入った生水を摂取して起きることもあります。」からすると、登山中の飲み水も心配であり、疑わしい所の水は飲めないということになる。しかし小生は山で水(源流か湧き水が多い)を飲んで腹が痛くなったことはないので、あまり心配する必要はないのかも知れない。
「1996年に集団発生した病原性大腸菌O-157による腸炎でも血のまじった下痢便がでることがあります。さらに血便をうったえて数日後に約7%の患者が
溶血性尿毒症症候群という急性の腎障害を引き起こし、重篤になることがあるので注意が必要です。」にある「
溶血性尿毒症症候群の予備知識」を別ブログに載せてあります。
(家庭の医学より)
[原因]
感染性腸炎が多く、一番多い原因は食中毒です。腐った食べ物を摂取することによって起きます。ほかに海外旅行、特に東南アジアなどに行ったときに病気の原因となる細菌の入った生水を摂取して起きることもあります。
ペットに付着した細菌が口に入って起きることもあります。
原因となる細菌は、O-157などの病原性大腸菌やブドウ球菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオのほか、以前、からしれんこんによる食中毒で有名になったボツリヌス菌、コレラ菌、赤痢菌、パラチフス菌などです。ウイルスは乳幼児の腸炎の原因となるロタウイルスなどです。非感染性腸炎は薬剤、特に抗生物質の服用や貝類、キノコ類などの毒素が原因となります。
[症状]
主な症状は下痢と腹痛です。下痢の性状によって腸のどこが悪いかを推測できることがあります。粥状から水様の消化不良の便に少量の粘液がまじっている場合は、小腸の病変を疑い、大量の粘液が便の表面に付着しているときは大腸の病変を疑います。
また時に血がまじることもあります。乳幼児で起きるロタウイルスによる下痢は、白痢ともいわれ、白色の便が大量に出ます。現在では少なくなりましたが、状況に応じて入院が必要となる赤痢では、血のまじった下痢便が、コレラでは、米のとぎ汁様の水様便が出ます。
1996年に集団発生した
病原性大腸菌O-157による腸炎でも血のまじった下痢便がでることがあります。さらに血便をうったえて数日後に約7%の患者が溶血性尿毒症症候群という急性の腎障害を引き起こし、重篤になることがあるので注意が必要です。
急性腸炎の下痢の回数は1日2〜3回から時に20回以上になります。便は特有の悪臭があります。
へそを中心に腹痛があるときは小腸に病変が、大腸の走行に沿ってあるときは大腸に病変があることが疑われ、数分ごとに痛くなったり、痛みがやわらいだりを繰り返したり鈍痛が続くことがあります。痛みがやわらいでいる時期にもそれまでに痛みが痛みがあった場所を押さえると痛みがあります。そのほか吐き気や嘔吐がみられたり、発熱したりします。その結果、脱水となり口がかわいたり、皮膚がカサカサになったり、尿の量が減り、尿の色が濃くなったりします。乳幼児では元気がなくなってきます。
[治療]
できるだけ早く医師の診断を受け、まず原因を調べてもっとも適した処置をとらなければなりません。特に乳幼児は急に脱水状態におちいりやすいため、元気がなくなってきたらすぐに医師の診断、治療を受けてください。
医師は糞便検査を中心として、ほかに採血などで原因を特定します。細菌が原因のときは培養に日数を要するため、そのほかの症状や問診(何を食べたか、どこへ行ったか、特に海外渡航歴など)などで診断します。
治療は脱水の対策、食事療法、薬物治療です。
腸の中のわるいものを排出するのが大切で、無理に下痢を止めることをしません。
脱水の対策として、塩分・糖分を適度に摂取できるスポーツ飲料がよいでしょう。ただし冷たいものは胃腸への刺激があるため、室温程度のものにします。そのほか湯冷ましやスープ、味噌汁の上澄み液を少量ずつ頻回に摂取するようにして下さい。サイダー、コーラなどの炭酸飲料類も胃腸への刺激があるのでやめます。嘔吐、下痢がひどい場合は水分の補給が必要なため点滴が必要です。
食べられるなら、お粥やうどんなど消化のよい繊維質の少ないものを少量食べるのが望ましく、下痢・嘔吐が多いときは水分だけとるようにします。ただし、腸管への栄養が低下するため長時間の絶食は避けなければなりません。特に小児では脱水、低栄養を防ぐため食欲が出始めたら食事をすすめます。牛乳は腸管の水分の分泌を促進し、便の量を増加させるため当分の間避けて下さい。そのほか腸管運動を亢進させるため避けたほうがよい食物は、繊維の多い野菜、果物、脂肪の多いもの、酸味の強いもの、辛いもの、コーヒーやアルコール類などです。
薬物療法として、医師は収斂薬、乳酸菌製剤などを処方します。下痢を急にとめるような薬剤は、さきほど述べた通り原則として使用しません。抗生物質の投与は細菌性腸炎のときに行いますが、その菌にあった薬剤を医師が処方しますので、かってに家にある抗生物質を服用してはいけません。菌に感受性のない抗生物質を使いますと、薬剤の効きがわるくなるばかりでなく、副作用が出て危険なことがあります。
<O157>児童福祉施設の3歳男児が死亡、大阪 [11月23日 23時06分]毎日新聞
大阪府の高槻市保健所は23日、同市奈佐原の児童福祉施設「健康の里」(日野一彦施設長、入所者77人)に入所していた3歳の男児が病原性大腸菌O157のため同市内の病院で死亡したと発表した。
同保健所によると、9日に同施設の2歳の女児が腹痛を訴え、19日にO157が検出された。女児と接触した可能性のある2〜7歳の子ども18人と職員18人の計36人を検査したところ、死亡した男児と5歳の女児からO157が検出された。
O157に感染した3人は市内の病院に入院したが、男児は23日に容体が急変し、死亡したという。2人の女児は、意識はしっかりしているものの重症で、現在も入院している。この3人以外にも、10人の幼児や児童が、下痢や腹痛の症状を訴えたが、快方に向かっているという。
この施設には、両親が長期入院したり、家庭の事情などで預けられた子どもらが生活している。
施設によると、死亡した男児は病気がちだったという。
子どもたちは、施設内の給食施設で調理した食事をとっており、食事のサンプルを同府立公衆衛生研究所が分析している。しかし、同保健所は感染ルートについて「
外部からの二次感染の可能性が強い」としている。
O157を巡っては、香川県内の老人福祉施設と特別養護老人ホームで今年10月に6人の死者が出ている。