「<こんにゃくゼリー>7歳児2人が窒息死 注意呼び掛け」[ 05月23日]毎日新聞
以前、「
ミニトマトを一歳園児が喉に詰まらせ窒息死した事故」があったが、今度は一口サイズのこんにゃくゼリーでもこのような事故になるとは---。
ほかのゼリーに比べて硬く、弾力性があるため、のどに詰まりやすいのだそうだ。
一口サイズのこんにゃくゼリーを食べた7歳の男児2人が3、4月に相次いで窒息死していたことが分かった。国民生活センターが23日発表した。同センターは「こんにゃくゼリーの安全性が確認できない。被害が集中している子供や高齢者はこんにゃくゼリーを食べるのを控えてほしい」と呼びかけている。
同センターによると、3月23日に東海地方の7歳男児が、学童保育でおやつとして提供されたこんにゃくゼリーを食べて窒息死した。4月29日には、甲信越地方の7歳男児が祖父母宅でこんにゃくゼリーを食べてのどに詰まらせ、6日後に亡くなった。
こんにゃくゼリーは、ダイエットブームを背景に登場した商品で、幅数センチのミニカップや袋に入っているものが多い。ほかのゼリーに比べて硬く、弾力性があるため、のどに詰まりやすい。
同センターによると、
窒息事故は95年以降、約40件起きている。特に95、96年に多発し、1〜6歳の乳幼児5人と60〜80代の高齢者3人の計8人が死亡。その後、99年にも40代の女性が死亡した。このほか03年、川崎市内の3歳児が窒息死し、病院の受け入れ態勢をめぐって裁判になった例がある。
同センターは死亡事故などを受けて95年10月から昨年11月まで計7回の注意情報を出し、農林水産省や業界団体に改善を要望。メーカーも消費者がよくかんで食べるよう注意表示を分かりやすくしたほか、商品を小さくしたり、形を変えるなどの改善を進めていた。
一方、海外では米食品医薬品局(FDA)が、こんにゃくゼリーの危険性の警告や商品の回収を実施しているほか、欧州連合(EU)も03年、ゼリー菓子へのこんにゃくの使用を禁止している。
同センターの島野康審議役は「日常的に子供が口にする商品で、これだけ死亡するということは相当の問題。今後、さらに調査を進め、改めて業界や行政に改善を要望したい」と話している。農水省食品産業振興課は「詳細を調べ、対応を検討したい」としている。