(1)福島第1原発の吉田昌郎元所長(58)が食道がんが引き金で2013年7月9日脳出血のため死去した。8月23日に行われた東電主催のお別れ会への出席者(ボート部後輩)から昨年10月に発症し12月に入院、2月に手術との報告を聞いた。お別れ会2部には安倍首相や菅直人さんも出席していたようだ。
8月31日のボート部OB会で後輩である吉田昌郎君のご冥福を祈り、全員(50人)で黙祷した。くしくも歌舞伎の中村勘三郎さんの享年とほぼ同じで、早過ぎる人生であった。
食道がんと喫煙との因果関係は明らかであり、それにアルコールが入るとさらに悪い状況になる。タバコを止めるに止められない心情は分かるが、命あってのものだねである。
(2)歌舞伎役者の
中村勘三郎さん(57)が、急性呼吸窮迫症候群のため2012年12月5日に亡くなったので、2008年に取り上げた食道がんに関する記事を更新した。
小生が高校生の折り(昭和34年)、いとけない(幼い)3歳の坊やが勘九郎を襲名したのをテレビで見て驚いたのを覚えている。その後、立派に成長し、立派な歌舞伎役者になった。ニューヨーク公演等はすごいことをやる男だなと思っていた。まだ、お若いのに、たいへん残念なことである。
今年(H24年)6月、初期の食道がんを公表してまだ6ヶ月しか経っていない。初期の食道がんなら5年生存率も高いはずだ。転院を繰り返しという記事も気になる。直接の死因は急性呼吸窮迫症候群であるが、食道がんから抗がん剤のため免疫力が低下し肺炎となり、重篤な状態が続いていたとの別の記事もある。下記に引用のご遺族のコメントには抗がん剤のことが載ってないということは、いろいろなことに気を使っているからであり、不憫(ふびん)に思う。
従って、抗がん剤による免疫力の低下に注目し、事実として、まだまだ抗がん剤は当てにならないことに着目したい。余程のことでない限り、正常な細胞もやっつける抗がん剤に頼るべきではない。そうでなくても下図のように加齢により免疫力はおちているからである。可能な限り免疫力を高める方向で対処すべきであると思う。一方で抗がん剤に関する進歩(がん細胞だけをやっつける薬)も待たれている。
「歌舞伎の中村勘三郎さんが死去」(NHK NEWS WEB 2012.12.6) によれば、
歌舞伎界きっての人気俳優の一人で、テレビなどでも活躍した中村勘三郎さんが、5日午前2時33分、急性呼吸窮迫症候群のため、東京都内の病院で亡くなりました。
57歳でした。
中村勘三郎さんは、昭和30年に東京で生まれ、昭和34年、3歳で五代目中村勘九郎を襲名して、「昔噺桃太郎」の桃太郎役で初舞台を踏みました。
立役から女方までまでさまざまな役柄を器用にこなし、歌舞伎界きっての人気俳優の一人となりました。
「元禄忠臣蔵」や「髪結新三」、それに勇壮な獅子の舞を表現する「鏡獅子」などの演技で高い評価を得ました。
また、歌舞伎の魅力を幅広い世代に伝える活動にも力を入れました。
平成6年から、東京・渋谷の劇場で、古典歌舞伎の演目を再構成した「コクーン歌舞伎」を上演したほか、平成12年には、江戸時代末期に浅草にあった芝居小屋を「平成中村座」として復活させました。
その4年後の平成16年、アメリカのニューヨークでも平成中村座の公演を実現させるなど、海外での歌舞伎文化の浸透にも貢献しました。
そして平成17年、3歳から名乗ってきた中村勘九郎を改め、人間国宝だった父親のあとを継いで江戸時代から続く大名跡中村勘三郎を襲名しました。
その後も、オペラの傑作「アイーダ」を基にした新作歌舞伎や、音楽にのせて早口で語る「ラップミュージック」を古典歌舞伎に取り入れたざん新な舞台に挑戦するなど、古典と新作の両方を巧みに演じ、常に歌舞伎界に新しい風を吹きこんできました。
また歌舞伎だけでなく、テレビのドラマやバラエティー番組、それにトーク番組やコマーシャルなどにも数多く出演し親しまれました。
このうち、平成11年にNHKで放送された大河ドラマ「元禄繚乱(りょうらん)」では、主人公の大石内蔵助を演じたほか、その年の大みそかの紅白歌合戦では白組の司会も務めました。
しかし、ここ数年は体調不良に悩まされていました。
おととし12月に突発性の難聴と診断され、休養したあと、去年9月から本格的に舞台に復帰したものの、ことし6月には、初期の食道がんが見つかりました。
勘三郎さんは食道がんが見つかった際、「新たに与えられたこの試練に立ち向かい復帰に向けて治療に専念いたします!一日でも早く元気な姿をお見せできるように!」とコメントしていました。
しかし、その後、肺も患い、来年4月に開場が予定されている新しい歌舞伎座での舞台復帰を目指していましたが、5日午前2時33分、入院先の病院で亡くなったということです。
家族がコメント“無念のうちに永眠”
中村勘三郎さんの妻の波野好江さんと、長男の中村勘九郎さん、それに次男の七之助さんは、勘三郎さんの死去を受けてコメントを発表しました。
この中で、「中村勘三郎は7月27日、患った食道がんの手術をしていただきました。12時間に及ぶ大手術となりましたが、手術は成功し、術後経過も順調で病棟内を歩くほどに回復しました。しかし、経過中に肺炎を発症し、その後、肺炎による呼吸不全が進行するという事態に陥りました。この肺炎による呼吸不全は思いのほか重症であり、呼吸不全に対する専門的な治療を行える病院へと2度にわたり転院をし、考えうる最高の治療をしていただきました」と治療の経過を振り返りました。
そのうえで、「本人も病気に立ち向かい、手術から約4か月に及ぶ闘病が続きました。その間、来年4月の歌舞伎座こけら落としに出演することを心のよりどころとし、癌晴って(頑張って)参りました。医療スタッフの方々も懸命の治療をなさってくださいました。けれどもついに回復することはかなわず、無念のうちに本日12月5日午前2時33分、永眠致しました。生前、中村勘三郎を長くごひいきいただいたことを心より感謝いたします」とファンに対する感謝の念で締めくくっています。
「
抗がん剤の副作用」によれば、
抗がん剤は、本人の正常な細胞にも重大なダメージを与えるため、適用には慎重な判断が必要です。
近年、アメリカ等では、主治医の判断だけではなく、主治医以外の意見、所謂セカンド・オピニオンを尊重する傾向があります。
日本では、主治医の判断が強く、他者の意見を聞く傾向が少ないのが現実ですが、今後、積極的にセカンド・オピニオンを求め、納得の行く治療を受けられる環境が必要です。
又、日本で認可されている抗がん剤の半分以上は、驚いたことに、欧米では認可されておりません。
つまり、それだけ危険(副作用が大きい)とみなされているものが多いと言うことでもあります。
副作用による死者も多く、かえって害であると言う意見もあり、延命効果にも疑問があるとの報告もあります。
抗がん剤による治療については、今後も、多くの議論が起こる可能性があります。
〔関連情報〕
「
がんになりやすい人となりにくい人」
2008/8/22~24、早月尾根から劔岳を縦走している折り、2日目(8/23)の夜、剣沢小屋で食後NHKテレビを見ていると、野菜や果物で食道がんを予防との情報が流れていた。
気になったので、情報源を調べたところ、厚生労働省研究班が8月14日、野菜や果物の摂取量が多い男性は、食道がんになるリスクが低いとの疫学調査結果を発表していることが分かった。
小生の回りでも何人か食道がんになり、亡くなっている。食道がんは怖いがんの一つ。食道がんと分かれば食道を切除し、胃と直接つなぐのであるが、つなぎ目のなじみもよくないようだ。
食道がんは強いお酒と煙草の組み合わせが一番よくないようだ。お酒を飲みながら煙草を嗜む人が多いが、それが一番よくないという。アルコールで荒れた食道に煙草が刺激しがん化していくのだろう。
煙草はできるだけ早い時期に止めた方がよい。嚥下できず(飲み込めず)に苦しんでいる同僚を見ているので、喫煙者には是非禁煙を勧めたい。
その方は酒も煙草も好きだったが、気づいてから結局1週間やそこいらで大事な命を失った。享年50歳ぐらいだった。
産経ニュース2008.8.14 によれば
[リスク半減? 野菜と果物で食道がん予防]
野菜や果物の摂取量が多い男性は、食道がんになるリスクが低いとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が14日、発表した。
合計摂取量を推定して3グループに分けると、摂取量「高」のグループは「低」に比べリスクがほぼ半減。摂取量が1日当たり100グラム増えるとリスクは約10%低下した。特にキャベツや大根、小松菜などで関連がみられた。
調査は岩手など8県の45〜74歳の男性約3万9000人を、平成7年から平均で約8年追跡。この間に116人が、日本人の食道がんの大半を占める扁平上皮がんになった。
扁平上皮がんは男性に多く、飲酒や喫煙との関連が強いのが特徴だが、こうした習慣があっても野菜や果物を取る効果がみられた。
食道がん(「家庭の医学」より)
食道がんはアルコール(特に強いお酒)や煙草を好む人に多いと云われる。また熱いお茶や食事、辛い食べ物が好きな人もかかりやすいと云われる。(ハイリスクグループ)
ちなみに毎日アルコールを飲み、しかも煙草を多く吸う人は、飲まない・吸わない人よりも3~30倍の危険率があると云われる。煙草を全く吸わないと食道がんにかかる危険率が47~48%少ないとも云われる。
食道がんにかかりやすい年齢は60代が最も多く、ついで50代、70代と胃がんに比べてやや高齢者に多く見られる。また男性は女性の5~7倍発生頻度が高いと云われる。
通常、食道がんは殆どが扁平上皮がんですが、最近欧米では胃がんと同じような腺がんが増えており、この傾向は日本でもみられるようになってきた。食道の腺がんは、逆流性食道炎が長く続くと発生するバレット上皮という特殊な円柱上皮から起こることが殆どです。バレット上皮のがん化の確率は、正常粘膜に比べて約40倍高いと云われる。
[症状]
早期がんでは80%の人は症状がない。あとの20%に、物を飲み込むときにしみる、違和感がある、つかえるという症状がみられる。進行がんになると、70%の人が食事のつかえ感を訴える。はじめは急いで食べたときに症状が出るが、ゆっくり食べたり、汁物など液体と一緒に飲み込むとつかえ感がなくなり、病気がよくなったと勘違いして病院に行くのが遅れることがある。
さらに病状が進むと液体もつかえ、吐くようになり、体重が減少する。進行がんになっても食道壁の2分の1〜3分の1の1周が正常な壁として残っていると、全く症状がないこともある。
心配な時は消化器の専門医(外科又は内科でもよい)と頭頸部科(又は耳鼻咽喉科)の両方で診て貰うとよい。