メラミンは、食器などに使われる樹脂の主原料となる有機化合物で、他の化学物質と反応すると結晶化し、腎臓障害を起こす恐れがある。
昨年春には北米で、ペットフードを食べた犬や猫が大量死し、原料の中国産小麦グルテンにメラミンが混入していた。
今月に入り中国衛生省がメラミンが混入した粉ミルクを飲んだ乳幼児が死亡したり、腎臓結石などで重症となった患者が多数いたりすることを発表。
ペットフードや粉ミルク中のタンパク含有量を多く見せるために窒素含有量が多いメラミンが混入されているという。必要なタンパク含有量(窒素含有量)の検査に合格させるために窒素を多く含有しかつ安いメラミンを混入させたとされる。
通常メラミンは水にほとんど溶解しないが、溶解補助剤により人為的に溶解性を高めていたとされる。
今後は食品へのメラミン自体の含有量を検査項目に入れなければならないことを暗示させている。
欧州食品安全機関の暫定基準によると、
体重50kgの人では1日にメラミン25mgを、体重5kgの子供なら2.5mgを摂取したとしても、健康には影響が出ないという。今回の検出濃度をもとに計算すると、最大濃度のクリームパンダには、1個1.5mgのメラニンが入っていたことになるが、体重50kg人なら1日に約17個、体重20kgの子供なら、約7個を食べ続けても、問題ない計算になる。
唐木東大名誉教授(毒性学)は、「中国では、腎臓や肝臓が未発達な赤ちゃんが、毎日、ミルクから高濃度のメラミンを体内に取り込んだために、健康被害が出た特殊なケースだ。日本でも、今回のことは問題だが、商品自体の安全性については、冷静な対応が必要だ」と話しているが、
腎臓や肝臓が未発達な赤ちゃんが、高濃度のメラミンを含有した粉ミルクを飲むのは危険であることは間違いないなさそうだ。
(以上、朝日新聞2008.9.27等を参考にした)