60歳代に入り、身近なところでがんと闘っている人の話から〔(
1),(
2)など〕、がん体験者が多いので、明日は我が身かと思ったりする。
がん発覚までに約15年から30年以上かかるというので、60歳代でがん発覚の人は既に40歳代からがんが成長していることになる。また、がんの成長が早い人なら以下の例のように40歳代で発症することにもなる。
そこで、『
末期がんを克服した医師の「抗がん剤拒否のススメ」』(星野仁彦著、アスコム発行)を読んで要点と著者のがん闘病履歴等についてまとめた。42歳で大腸がんになった著者(精神科医)の生き様や偏った食生活、「尿療法」(尿に含まれる成分等)、奥さんの協力等については本を参照されたい。
年齢毎の免疫力とがん死亡率の関係は下のグラフの通りであり、タイトルは「がん年齢を迎える人の予備知識」とした。
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〔
免疫力とがん細胞との闘い〕
我々の細胞は約60兆個の細胞からできている。その細胞には遺伝子が組み込まれていて、身体の成長や維持を行っている。しかし、遺伝子が何らかの要因で傷つけられると正常な細胞ががん細胞化し、異常な増殖を始める。正常な細胞の分裂は40回程度だが、
がん細胞は無限に分裂を繰り返す。
遺伝子を傷つける原因は、一般には、タバコや紫外線、排気ガスなどの環境汚染、放射線、ウィルスなどの発がん性物質による。成人の場合、1日に数10個の細胞が傷ついているが、がんにならないのは身体に備わっている免疫力のお陰である。免疫はウィルスなどの外敵の侵入防いだり、体内に異変が起きたりすると、現場に直行し、敵なら撃退し、がん細胞の増殖ならその原因を取り除いてくれる。
しかし、免疫力が低下するとそれらが十分出来なくなる。免疫の働きは40歳前後を境に、低下する。がんの発病が高齢に多い理由の一つである。
免疫力の低下は他にも、過労や睡眠不足、偏った食生活や過剰なストレスなどにより起きる。がんが生活習慣病の一つといわれるのは、免疫力を低下させるライフスタイルががん細胞を増殖させるからである。心理状態も免疫力と関係ある。気持ちが前向きで楽観的なほど免疫力は高いが、後ろ向きで悲観的だと低くなる。
がん細胞と免疫力との闘いは持久戦になる。胃がんでも5mm以内の小さながんは、その相当数が自然治癒するという。
しかし、がん細胞は執念深く、免疫力が低下する機会を狙っている。免疫力低下の原因が何であれ、弱まると、さっそく分裂・増殖を始める。免疫力が高まると息を潜めて待機する。そして、がん細胞はゆっくりと、着実に身体を侵していく。現在の検査技術では、がん検診などで発見されるほどの大きさの腫瘍になるまでに、およそ15年から30年以上かかっているといわれる。
〔
抗がん剤の実態〕
■抗がん剤は、全てのがんに平等に効くわけではない。抗がん剤がある程度有効ながんは、子どもの急性白血病、多くの小児がん、一部の卵巣がん、睾丸腫瘍、肺がんの一種の小細胞がん、子宮の繊毛がん、ある種の悪性リンパ腫など。これらを除いたがんへの効果は疑問視される。
抗がん剤は、特に胃がん、大腸がん、肝臓がん、胆道がん、子宮がん、食道がん、すい臓がん、膀胱がん、甲状腺がんなどのいわゆる固形がんの殆どにあまり効かないといわれる。さらに転移性がん、再発がんには効果は殆ど認められないという。
■
抗がん剤のもう一つの大きな問題は免疫力の低下である。リンパ球の活性を下げてしまうため、細菌感染症への抵抗力が弱くなる。
■アメリカの国立がん研究所は、
抗がん剤はがんに無力なだけでなく、強い発がん性があるため、他の臓器などに新たな二次がんを発生させる増がん剤であると発表した。
■通常療法で根治できる可能性が高い早期がんはともかく、
進行がんや末期がんには敗戦処理でしかないといわれる。通常療法とは、免疫力で抑えきれなくなったがん細胞を人工的に取り除く治療法。
〔
精神科医星野医師(1947年生まれ)のがん闘病履歴〕
1.42歳で大腸がんが発覚し、即手術し4cmの腫瘍を摘出
2.再発防止目的で抗がん剤(UFT:テガフール・ウラシル)を飲むことにした。
3.退院後CEA(腫瘍マーカー)の結果がよくなかった。わずかずつ数値上昇。
4.肝臓2個所に転移(1cm数mmの影が二つ)⇒「5年生存率0%」に
5.抗がん剤の持続動注療法か摘出手術を薦められたが両方とも断り(∵抗がん剤は転移性の肝臓がんにはあまり有効性が認められていない)、腫瘍を壊死目的でエタノール局注療法を選択。しかし壊死で終わりにならない。転移性肝臓がんは何回でも転移再発を繰り返すからだ。
6.
ゲルソン療法の実行を決断した。がんとは身体全体の栄養代謝の乱れが生み出した病気であるから。がんが成長するための栄養素とは、ゲルソンによると、塩分と脂肪、動物性タンパク質。その3つをできる限り制限すれば、がん細胞は成長することはない。ゲルソンが着目したのは肝臓の働きだった。栄養素や老廃物の分解を担当する肝臓の機能低下が、がんの発生をまねく重大な原因と考えていたからである。その機能向上のためのメニューも食事療法に盛り込まれている。
□ゲルソン療法のプログラム
①完全菜食(少なくとも治療開始の数ヶ月は、動物性食品は一切とらない)
②にんじんジュースなど大量の野菜・果汁ジュースを、1時間おきに1日13回、計2リットル以上飲むこと
③厳格な無塩食にすること
④カリウムやヨードの補給を行うこと
⑤穀物は未精白のものを摂ること
⑥コーヒーによる浣腸を1日4,5回行うこと
7.
星野式ゲルソン療法の実践
8.主治医との話し合いで、ゲルソン療法の実践を認めて貰い、サポートの約束を貰った。
9.現れはじめた効果
どんどん痩せていく。良好な検査結果。
10.
免疫力向上の方法:尿療法(朝一番の自分の尿をコップ1杯飲む)
11.星野式ストレスコントロール
①あまりに完全主義を目指さないこと
②自分にできることをやれたら、それである程度満足すること
③あまり他人の評価を気にしないこと
④ときには自分に対して開き直ること
12.「5年生存率0%」の克服
13.“
肝臓にがんが転移してから、もう15年が過ぎようとしている。その間、私の身体に新たながんの転移はない。むしろがんになる以前よりも元気に日々を過ごしている。”(2005年)
〔「星野式ゲルソン療法」(「70%ゲルソン療法」)のポイント〕
①無塩食
塩、しょう油、ソースなどの塩分[NaCl]を含むものは極力摂らない。
使える調味料は、少量の減塩しょう油、レモン、酢、ビネガー、にんにく、ハーブ、はちみつ、黒砂糖。
塩分を含まない食事は、はじめてから1,2年間は徹底する必要がある。
②油脂類と動物性タンパク質の制限
はじめてすぐは、動物性でも植物性でも、油は抜く。肉類や魚介類、乳製品、卵などの動物性タンパク質も同様である。
代りに植物性のタンパク質である、大豆、豆腐、凍み豆腐、湯葉、豆乳などの大豆タンパク、プロイティンパウダー、又はグルテンや麩などの小麦タンパクを積極的に摂る。
市販のパンは食べてはいけない。パンを食べたい場合は、国産小麦、できれば全粒粉を使って自家製パンを焼いて食べる。
数ヶ月経てば、白身の魚と、しらすなどの小魚、鰹節などは食べてもいい。
③多種類の野菜を使ったにんじんジュース
にんじん、じゃがいも、国産レモン、りんご、かぶ、大根、季節の青菜などの野菜をジュースにして、1回400cc、1日3回以上飲む。
野菜はできる限り、無農薬、有機栽培で作られたものを使う。
また、野菜はできる限り、新鮮なものを生のまま食べる。
④アルコール、カフェイン、タバコ、精製された砂糖、人工的な食品添加物(着色料、保存料)などの禁止
⑤食事はいも類、未精白の穀類(玄米、胚芽米、全粒粉)などの炭水化物、豆類、新鮮な野菜や国産の果物、くるみ、アーモンドなどのナッツ類、海藻類を中心にする。
〔
民間療法をはじめる際の病院や医師との付き合い方のコツ〕
①主治医に対しては、礼儀正しく丁重に対応し、民間療法をはじめることを断られても諦めずに何度もお願いする。
②それでも理解して貰えない場合は、英語の文献を示し民間療法の効果を認めて貰うこと。医者は意外に海外の文献に弱いところがある。
③最後の手段は、病院長への投書である。昨今の医療業界の不祥事に頭を抱えている各病院は、患者の声に敏感に反応する傾向がある。あくまで最終手段だが、主治医に理解して貰えないなら仕方がない。
④それでもダメだったら、病院を変えるという方法もある。
〔
ゲルソン療法の効果〕
スキルスや肺がんのなかでも小細胞がんといわれる進行の早いがんや末期がんには、ゲルソン療法の効果は発揮されにくいかも知れないが、大腸がんや乳がん、甲状腺がん、前立腺がんといった進行のゆっくりしているがんは、ゲルソン療法でかなりの確率で再発を防げると考えている。
〔
ゲルソン療法の効果を発揮させるためのポイント〕
①がん患者がゲルソン療法を行う前に、がんの告知を受けている必要がある。ゲルソン療法(食事療法)は厳しいので、生半可な意志では挫折する。
②摘出手術など外科療法が可能な場合は、腫瘍を切除しておくことである。ゲルソン療法でがんを消失させることができるのは進行が遅い比較的小さな腫瘍のみと考えた方がよい。
ゲルソン療法の実行は手術前か手術後すぐに始める必要がある。
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〔
尿療法についての情報〕
□「
癌掲示板..>尿療法」
□「
尿療法のお勧め」
□「
尿療法バイブル―あなた自身がつくりだす究極の良薬」(単行本)
[目次]
第1章 告白―我が難病の半生と、尿療法で命びろいするまで
第2章 現代医学が解明した(しかし我われには知らされていない)奇跡の
良薬
第3章 誰も知らない尿の威力―最も医学的研究が進んでいる天然物質な
のにそれについて誰もが無知なのはなぜか?
第4章 医学が解明した尿の威力―研究成果と治療例
第5章 尿療法の歴史
第6章 自分で行なう尿療法―安全で効果的なノウハウ
第7章 症例別・尿療法体験談
[
アマゾンレビュー]
“
尿が虫刺されには効果がある事くらいは知っていたが、まさかエイズや癌、糖尿病に自分の尿を丸ごと飲む事により、治癒する事が出来るとは夢にも考えていなかった。
・・・全くの脱帽である。尿とは単なる不要な人体からの排出物位にしか考えていなかったので、実はこの尿にビタミン類や葉酸、カルシウム、亜鉛、ナトリウム、アルギニン酸・・・等の解っているだけでも数百種類の栄養素と、未だに解明されていない未知なる成分も含まれている・・・と知った時は、ただただ驚いた。
医者に見離された患者達が、自分の尿を飲む事により不治の病を克服していくその体験談を読むに付け、人体の不思議さ、精妙さに心からの感動を禁じ得ない。また、残念ながら医学の最先端の研究者達はこの事実を知っており、癌治療において放射線治療や抗生物質による治療法には限界がある事も熟知していながら、「金銭的な理由」により、この尿療法を自分の患者には勧めない・・・という裏事情も余す事無く書かれていて、現代医学の問題点にも鋭く追及の目を向けている点にも、著者の誠意が感じられる。
この本は色々な症例に分けて尿療法の治療例を詳しく解説してくれているので、正にバイブルとして長く手元に置いておきたい名著であると断言したい。”
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がんになっていない者には、免疫を高めるために「
尿療法」はなかなか実行できない。そこで、「
免疫を高めるためには」より、他の方法を探った。
1、喫煙をひかえる。
2、適度の飲酒を心がける。
3、質の良い睡眠をとる。
4、ムリのない適度な運動をする。
5、笑う。
6、充分な休養などでストレスをためない。
7、爪をもむ。
手の指の爪の生えぎわの角をもむ(人差し指と親指で生えぎわの角を10秒から20秒、少々痛いくらいにつまむ)と、リンパ球をふやして副交感神経が優位になり、血行が促進され免疫力が高まるといわれています。あまり厳密な位置にこだわる必要はありません。基本的に、両手の親指、人さし指、中指、小指の 4本の指をもみます。ただし、薬指は交感神経を刺激してしまうので特別な場合以外はもまないようにします。
8、体温を下げない。
9、日常の飲料水に気をつける。
10、薬・抗生物質を乱用しない。
11、バランスの良い食事を心がける。
12、免疫力を高める(調整する)健康補助食品を利用する。