身近で恐怖体験をした方がいるので、PTSD(外傷後ストレス障害)とASD(急性ストレス障害)を調べてみたい気持になった。
PTSDとは、Post Traumatic Stress Disorderの頭文字。PTSDの引き金は災害、戦闘体験、犯罪被害など、強い恐怖感を伴う体験と言われているが、アメリカ精神医学会の診断マニュアル改訂第4版(DSM-IV)では、原因の具体的な記述はなされておらず、むしろ出来事に対する直後の自覚的反応が「
強い恐怖、無力感または戦慄」をともなうものという定義がなされている。
(
日本トラウマティック学会のHPより)
■PTSDの主な症状と診断
PTSDの主要症状は再体験(想起)、回避、過覚醒の3つ。
1)再体験(想起):原因となった外傷的な体験が、意図しないのに繰り返し思い出されたり、夢に登場したりします。
2)回避:体験を思い出すような状況や場面を、意識的あるいは無意識的に避け続けるという症状、および感情や感覚などの反応性の麻痺という症状を指しています。
3)過覚醒交感神経系の亢進状態が続いていることで、不眠やイライラなどが症状として見られます。
DSM-IVでは、再体験(B項目)が5項目中1つ以上、回避(C項目)が7項目中3つ以上、過覚醒(D項目)が5項目中2つ以上、それぞれ揃っていることが診断のために必要です。さらに、それらの症状が1ヶ月以上持続(E項目)、自覚的な苦悩か社会機能の低下が明らかな場合(F項目)に、医学的にPTSDと診断されます。
【ASDについて】
PTSDの診断基準では症状の持続が1ヶ月以上とされています。しかし衝撃的な出来事に遭遇すると直後から重症の反応が生じることがあります。PTSDの3大症状だけでなく、解離性症状と呼ばれる健忘や現実感の喪失、感覚や感情の麻痺などが、直後の1ヶ月以内に強く現れている場合は「急性ストレス障害 Acute Stress Disorder;ASD」と診断されPTSDとは区別されています。